返事も溺愛もキスのあとで


(……ん……朝?)

ベッドサイドのカーテンの隙間から漏れていると思われる朝の光を感じて、瞼をゆっくりと開ける。

すぐに目に入った壁掛け時計は九時をすぎたところだ。

(あれ、昨日……私……)

記憶を辿りながら思い返せば、昨日は本当に目まぐるしい一日だった。
まさか、初恋のたーくんが鷹哉さんだったなんて。
さらには彼と一夜を──。

(そうだ、私、鷹哉さんと……)

ようやく寝ぼけていた頭がクリアになり、横を向けば、彼は綺麗な寝顔を惜しげもなく晒している。

さらによく見れば私も上半身は裸だが、彼もまた上は何も着ていない。

私は手を伸ばして、ベッド下に散らばっていたキャミソールとパジャマを身につけた。

その時、ベッドのサイドテーブルのあるものが目に入り硬直する。

「……これって……」

それは封の切られた避妊具。もちろん私だって見たことはあるし、行為そのものも初めてではない。ただ──。

「え、XL……」

か細い声でつぶやいてから、私はなんだか悪いことをしているような妙な気持ちになって、秒で元の位置に戻す。

(確かに……思ってたより、はるかに大きかったような……)

(それに鷹哉さん……あんなに上手だなんて)

久しぶりの性行為とはいえ、今まではずっと苦手だった。
世に言う、気持ちいい行為と思えず、ただ時間が過ぎるのを待つことが当たり前だったから。

それなのに昨晩、彼に抱かれている時の自分は自分じゃないみたいに乱れて、快感に溺れてしまった。

(すごく……気持ち良かったな)

そんなことが脳裏に浮かんで、ハッとする。

(ちょっと、私ってば何考えて……)

今度は頭をぶんぶん振って、あれこれをかき消そうとするが、鷹哉さんの色気たっぷりの身体と視線がなかなか脳内から離れない。


「──朝から可愛いな」

(!)
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