返事も溺愛もキスのあとで

「はぁ……いい気持ち」

(今日も慌ただしかったけど、いい一日だったな)

鷹哉さんと夜ご飯にステーキを焼いて食べたあと、自社製品のポテトチップスで晩酌をし、彼が洗い物をしてくれている間に、私はお風呂に入っている。

(それにしても……広いお風呂)

彼のタワマンの一室は2LDKでかなり広いのだが、お風呂も十五畳程はあるだろうか。
私は湯船のお湯をパシャンと肩にかけながら、広い浴室を見渡す。湯船だけでも三人は軽く入れそうだ。

(今度の週末、あれ使ってお掃除しようっと)

家事が元々得意で好きな私は、先日ホームセンターで新しくお風呂のお掃除グッズを買ったのだ。

私につられて彼も新しいモップを購入しており、週末に二人でお風呂掃除をするのを楽しみにしている。

彼は掃除に関して、私と住む前に利用していたクリーニングのサービスを頼めばいいと言ってくれたが断った。

掃除もゴミ捨ても、買い出しも二人ですると何でも楽しくて、小さな幸せに溢れるからやめられない。

(こうして幸せを積み重ねて、いつか……家族に……って気が早いよね)

(まだ付き合って日が浅いんだから……)

でもいつかを期待して夢見る気持ちは、日々大きくなっている。

私は湯船の水面に顎まで浸かり、天井を見上げた。

「はぁ。それにしても、今日はいい日だったなぁ」

彼との交際を公にしたことで、同僚や他社員から彼の恋人が私であることを、どう思われるのかとても気がかりだったのだが、ほとんどの人が肯定的でお似合いだと言ってもらったときは、心から安堵した。

ただひとり、姫原さんの鋭い視線だけは気にはなったが。

(でも何も言ってきたりしないし、大丈夫だよね)
< 146 / 190 >

この作品をシェア

pagetop