返事も溺愛もキスのあとで
そして仕事中の彼はというと、いつもの通り、凛々しくクールで私との交際を微塵も感じさせなかった。

(これからもお昼は一緒に食べようだなんて……)

(オンとオフが激しすぎるよ……)

とは言え、雪のホークと呼ばれ、仕事の厳しさから恐れられている彼が、お弁当の卵焼きをニコニコと頬張る二面性は全然嫌じゃない。

(明日はタコさんウインナーと、煮物と……メインは……冷凍しといたハンバーグでいいかな)

そしてメニューを決めた時、ふいに浴室の扉が開いた。

──ガチャ!

「きゃ……っ」

彼の引き締まった身体が見えて、慌てて後ろを向く。

「な、何で、あの鷹哉さんが……」

「洗い物も終わったからな。雛子の顔がみたくなった」

よくわからない理由を口にしながら、彼は身体を流すと湯船に入ってくる。

そして湯船端っこで、小さくなっている私を後ろから抱きしめた。

先程まで適温だったのに、一気に身体中が熱くなってくる。

「それに企画が本会議に通った、甘やかしがまだだからな」

「ええっと、甘やかしのご褒美は夜ご飯のステーキじゃなかったの?」

「ステーキくらいじゃ俺の気は全然済まないな」

そう、午後からの会議の際、私の企画が本会議に通ったことが発表されたのだ。
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