返事も溺愛もキスのあとで

浮遊感と心地よさを感じながら、私は瞼をゆっくりと開ける。

「雛子、大丈夫か?」

「あれ、鷹哉、さん?」

(お風呂に入ったあとから記憶が……)

身体を起こせば、鷹哉さんがすぐにペットボトルをこちらに差し出す。

いつのまにかパジャマを着ていて、髪も乾いている。

(あ、思い出した)

私はお風呂場でのアレコレに恥ずかしい気持ちになりながら、ペットボトルに口をつけた。

「ありがとう」

「いや、俺のせいだ」

プハッと水を飲み、喉の渇きを潤した私を見ながら、彼は暗い表情で肩を落とし、なにやら落ち込んでいるように見える。

「鷹哉さん、どうしたの?」

「雛子、悪かった!」

「え……っ!」

ベットサイドの椅子に座っている彼が勢いよく頭を下げて、困惑する。

「いや、あの、えっと何?」

顔をあげて欲しくて、両手をあげて振ったものの、オロオロしているばかりでうまく言葉が出てこない。
彼が眉を下げたまま、こちらを伺うように見つめる。

「……雛子が気を失うまで、悪戯するつもりはなかったんだ」

彼がお風呂場でのことに対して謝っていることにようやく気づく。

「それなら全然、大丈夫だよ」
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