返事も溺愛もキスのあとで
私はなるべく思い出さないようにしながらも、明るい場所であんな風に乱れた上、気を失ったことが恥ずかしくてたまらない。

「……怒っているよな。本当に悪かった」

「ち、違うの」

「え?」

「私こそ、のぼせたのもあって心配させてごめんね。でも……怒ってないし、嫌じゃないから……鷹哉さんに触れられるの……」


彼に誤解されたくもなければ、これからスキンシップを遠慮されるのも嫌で、私は心の中そのままを言葉にしたが、言った側から恥ずかしくて死にそうだ。

(とんでもなく恥ずかしい……)

目だけで彼を伺うと、彼は耳まで真っ赤にしていた。

「鷹哉さん?」

「はぁ、雛子は俺をどうする気だ」

「え?」


彼は私の疑問符に答えることなく、そっと抱きしめた。

「……雛子といると自分じゃないみたいだな」

「それは、いい意味なの?」

すぐに私の額に、こつんと彼の額が当てられる。

「好きでどうしようもないんだ」 

叱られた後の子供のような顔で、そんな甘い言葉を言う彼がどうしようもなく愛おしい。

「私も大好きだよ。鷹哉さんが思ってるよりずっと」

そう言うと、私は彼の唇に初めて自分からキスを落とした。
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