返事も溺愛もキスのあとで


瞬く間に、穏やかで優しさにあふれた日々が一か月ほど過ぎた。

鷹哉さんと一緒の出社にも慣れて、いつも通り二人並んで三日月製菓子コーポレーションのエントランスを潜り、エレベーターホールへ向かう。

「どうしよう。緊張する……今更なにしてもしょうがないんだけど……」

「午前中に統括部長が来るから、その時、発表されるだろう」

そう、今日はいよいよ新商品企画の結果が発表される日なのだ。

昨晩はあまり眠れず、今日は早起きをしてしまった。

「俺もどの企画が選ばれたのかわからないが、でもいい予感がしてるんだ」

彼が形の良い唇を持ち上げて微笑む。

「いい結果になることを願ってる」

「うん」

私は彼の微笑みに頷く。

そしてエレベーターで五階にたどり着くと、オフィスへと向かっていく。

(ん?)

今日は扉を開ける前から、なんだか騒がしい。

挨拶をしながら扉を開けた私たちはすぐに二人そろって、目を見開いた。

「おぉ、室長、舞川さん~、お先だぜぇい!」

「えっと……石垣、さん?」

守は椅子に腰かけていて、なぜかギターを抱えている。

「愛のメロディースーパーラブ、聴いてください」

(?!)
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