返事も溺愛もキスのあとで


「雛子おめでとう、乾杯」

自宅のソファーに並んで座り、缶ビール合わせて鳴らすと、私たちは本日、三回目の乾杯をする。

今日は部長から私の企画が採用されたということで、鷹哉さんと仕事帰りにホテルでイタリアンを堪能した上、二人でワインを二本空けた。

そして自宅に帰ってきてから交互にお風呂に入ってから、再び缶ビールで晩酌タイム中だ。

「雛子は本当に酒が強いな」

「そういう鷹哉さんだって、もうビール五缶目だよ?」

「今日は雛子の企画が通ったお祝いだから」

彼が豪快に五缶目となるビールを飲み干すと、ソファーの前のガラステーブルに置く。 

そのまま骨ばった彼の手が伸びてくると、私の頬にふわっと触れて、じっと見つめられる。

「あの……」

「酔ったかもな」

「え?!」

ザルの彼が酔うなんて初めてだ。やや大きな声が出してしまった私を見ながら、彼がククッと笑った。

「嘘だよ。雛子に触れる口実ならなんでもいいんだ」

そのまま、すりっと耳たぶをなでられ顔が熱くなる。これは確実にワインと缶ビールのせいではないはずだ。

「そろそろ限界。ベッド行こうか」

男の欲を孕んだ視線を受け止めきれず、瞬きをしながら手元の缶ビールを見つめる。

「えっと……その」

「ん? どした?」

このまま、彼の酔ったフリに身を任せてもいいのだが、私はダイニングテーブルの上に置かれたままのコンビニの袋を指さした。

「あれ、食べてからでもいい?」
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