返事も溺愛もキスのあとで
そして二人でぱくんとチョコレートの卵を食べると、中からでてきた水色のプラスチックの容器をそっと開ける。

「きゃあ!」

「どうした?」

「当たった!! ヒヨコだぁ」

可愛らしいヒヨコがお尻をツンと上げてこちらを見上げている。

「可愛い〜」

「雛子のが可愛い」

「……もう、恥ずかしいよ」

「二人きりの時くらいいいだろう? ダメなのか?」

「ダメ……じゃないけど……」

私の言葉に彼が口角をあげながら、手に持っていたプラスチック容器を開ける。

「さて、こっちはどうかな」

「あぁ……っ、当たりますように!」

私は神頼みするように両手を合わせて祈る。
彼の笑う声が聞こえるが、どうしても欲しい。

(お願い──鷹哉さんがいい!)

パカッと音がしてぎゅっと目を瞑ったまま、彼の反応を待つ。

「……なるほど」

彼の静かな声に落胆する。

(ああ、ダメだったか……)

そしてため息を小さく吐いてから、目を開けようとした時、ぐっと彼に引き寄せられた。


「……ンっ」

そのまま彼に唇を塞がれて、口内が甘いチョコレートで満たされる。

(え……なに?)

(……キス、されて……)

「ンン……」

「だいぶキスも慣れてきたな」

「……ふ……ンッ……」

繰り返されるキスに呼吸がだんだん苦しくなって、彼の胸をトンと押せばようやく唇が離された。

「はい、雛子」

「……えっ」

彼が長い綺麗な指でつまんでこちらに見せているのは、私が一番欲しかった鷹のマスコットだった。
< 160 / 190 >

この作品をシェア

pagetop