返事も溺愛もキスのあとで
「雛子を誰よりも幸せにできるよう精進するよ」

「えっと……私も鷹哉さんに幸せだって思ってもらえるよう……努力するね」

「その必要はないな」

彼が席を立つと、あっという間に私を抱きかかえる。

「わ……っ、ちょっと鷹哉さん」

「もう十分幸せを貰ってる。いまからお礼に雛子を甘やかしたい」

そう言って意地悪な笑みを浮かべた彼が向かうのは寝室だ。

電気をつけないまま、そっとベッドに下ろすと、彼は私をすぐに組み伏せた。

「え、あの……」

「そんな顔されたら、手加減は無理だな」

甘いキスが落とされ、すぐに彼の手がパジャマの中を狙いを定めるように探ってくる。

「ちょっと……ン……」

「手加減しないから、覚悟してくれ」

熱と欲ををはらんだ彼の目を見つめながら、私は心地よいキスに瞼を閉じた。



──この時の私は知らなった。

この幸せで甘い日常を暗く染める、あんな出来事が起こることを。

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