返事も溺愛もキスのあとで
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大将に挨拶をして店を出るともう22時だ。美味しいお寿司と茶碗蒸し、ブリのあら汁、だし巻きにビールを五杯も頂いてしまった。
「ご馳走さまでした」
「いや。それより家まで送っていく、家はどこだ?」
「あ……」
考えないようにしていたが、私の家には守が帰ってくるかもしれない。
「どうかしたか?」
雪瀬室長に守のことは話したが、同棲のことは話していなかった。
(どうしよう)
(守、まさか姫原さん連れて帰ってこないよね……)
そう思うと、急に足取りが重くなる。
「その……実は同棲していて……私の名義なんですけど……鉢合わせたら嫌だなって」
「それじゃあ、どうするつもりだ?」
「でも私名義ですし、さすがに彼も帰ってこないとおもうので大丈夫です」
「そうか……じゃあこのまま送る。どのあたりだ?」
「あっちのコンビニの裏のアパートです。近いので大丈夫です。お気遣い頂きありがとうございます」
ぺこりとお辞儀をした私を見ながら、雪瀬室長が先に一歩を踏み出す。
「行こう。夜遅くに部下を一人で帰らせるのは心配だからな」
心配してもらうのはいつぶりだろうか。守はどんなに私が仕事が遅くなっても迎えにきたことも心配したこともなかった。強いて言えばご飯の心配ばかりしていたように思う。
「……じゃあお言葉に甘えて」
「ああ」