返事も溺愛もキスのあとで
「ねぇ守、本当いいの〜」

「いいに決まってんじゃん。僕ん家なんだし、まだ雛子帰ってきてないみたいだし」

「でもぉ、そのうち雛子先輩帰ってくるでしょ? また怒られちゃう~怖い~」

「そうなったら僕が由羅を守るから安心して。あとさすがに僕らがいるのに、そのまま帰ってきて居座るとかないない。便利屋雛子もどっか行くって」

守は虫を払うような仕草をしてそれを見て姫原さんが大袈裟に笑う。

「きゃはっ、便利屋雛子ってなんか、ほんとゴロいいし~超絶可哀想すぎてウケるんだけど〜」

納涼会の帰りだからだろう。お酒が入って頬を赤らめた二人は大声で喋っていて少し離れたこちらまで丸聞こえだ。

「室長。ここで大丈夫です」

「いやでも」

「今日はありがとうございました」

私は室長に一礼すると、守達のところへ駆け出した。

「大きな声でいい加減にしなさいよ」

私の声に二人の体がビクッと跳ねる。

「うわっ、びっくりしたー」

「きゃ、脅かさないでくださいよお」

「今の話も全部聞こえてたから。て言うか浮気した上、勝手に別れたことにして、さらに同棲してる部屋に連れてくるのか頭おかしいんじゃない」

「はぁあ。雛子がそんなだから浮気されるし、勝手に別れたことにされんの。わかる?」

守が私を馬鹿にしたように小首を傾げるのを見ながら、姫原さんが泣き真似をする。
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