返事も溺愛もキスのあとで
「……いえ。本当にありがとうございました。室長が嘘でもああ言ってくれたお陰で、あれ以上みじめにならずにすみました。それに正直……あの家に住むのも苦痛だし行く当てもなかったので、今晩だけでも泊めて頂けて助かります」
「嘘ではないんだが……」
「え?」
「いや……」
握っていた前髪から手を離すと、何かを言いかけた彼が口を閉ざす。
「ちゃんと明日には出ていきますので」
「明日出ていくのか?」
「え? はい。明日からはビジネスホテルに泊まるつもりです」
「そうか……困ったな」
(ん? 困った?)
私はその言葉とこちらを難しい顔をして見つめている雪瀬室長の意図が全く分からない。
彼は数回深呼吸を繰り返すと、何かを決心したようにぐっと顔を上げた。
「舞川雛子さん」
「あ、あの……室長?」
彼は真剣な眼差しをそのままにテーブルの上に置いていた自身の手をぎゅっと握る。視線が外せず見つめ合うと、彼がゆっくりと口を開く。
「──俺と結婚してくれないか」
「嘘ではないんだが……」
「え?」
「いや……」
握っていた前髪から手を離すと、何かを言いかけた彼が口を閉ざす。
「ちゃんと明日には出ていきますので」
「明日出ていくのか?」
「え? はい。明日からはビジネスホテルに泊まるつもりです」
「そうか……困ったな」
(ん? 困った?)
私はその言葉とこちらを難しい顔をして見つめている雪瀬室長の意図が全く分からない。
彼は数回深呼吸を繰り返すと、何かを決心したようにぐっと顔を上げた。
「舞川雛子さん」
「あ、あの……室長?」
彼は真剣な眼差しをそのままにテーブルの上に置いていた自身の手をぎゅっと握る。視線が外せず見つめ合うと、彼がゆっくりと口を開く。
「──俺と結婚してくれないか」