返事も溺愛もキスのあとで
突然のプロポーズ?に脳内の情報処理機能が追い付かない上、つい先ほど、無様に浮気され捨てられたばかりの私を見ておきながら、なぜこんな提案をするのか全くもってわからない。

そもそも仕事に厳しい雪瀬室長の元で部下として三年、間違いなくただの上司と部下の関係だった。

スマホの番号ももちろん知らないし、二人で飲みに行ったのは、今日が間違いなく初めてだ。

「……舞川さんがずっと、好きだったんだ」

「あ、の……え、ちょっと混乱して……」

頭が回ないくせにお酒のせいもあるのか、彼の端正な顔のせいなのか、とにかく顔が熱くてたまらない。

(もしかして室長酔ってる?)

(いやいや私と一緒でザルじゃない)

(ってそんなことどうでもよくって……)

(ああ、ダメ。脳内処理が全然追い付かない……)

わたわたと動揺する私を眺めながら雪瀬室長が先ほどよりも顔を近づける。

「俺じゃダメか?」

「いや、あのダメとか、そんなことは……」

「正直いきなり告白されて、迷惑かもしれないが本気だ」

「えっと……迷惑なんて思いませんが……」

「思わないが、なんだ? 嫌か?」

「い、嫌とかでは決して……私じゃ釣り合わないかなと思っただけで……」

「舞川さんがいいんだ」

「……っ」
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