返事も溺愛もキスのあとで
「はい、珍しいですよね。鷹のワンポイントのバスタオル」

ブルーのバスタオルも先ほどの雛のバスタオルと同じように端に鷹の刺繍がついていて、こちらに睨みをきかせている切長の目が彼にそっくりだ。

「俺はこんな嫌な目つきをしてるのか?」

その言葉に思わず吹き出しそうになる。

「してないです。切長の素敵な目だと思います」

「そ、そうか。それなら……これも2枚買おう」

「お揃いですね」

「ああ……」

ほんのり頬を染めた彼をみながら、私はまたクスクス笑う。

(室長ってこんな照れた顔もするんだな)

(それに、プライベートで久しぶりに笑ったかも)

今までは土日も一人でスーパーに買い出しに行き、作り置きと掃除と洗濯で終わっていた。

守はといえば、テレビゲームか寝転んで漫画を読んでいて、買い物に付き合ってくれることも、家事を手伝ってくれることもなかった。


(バスタオルを買うだけで、こんなに楽しいなんて)

まだたった1日だ。それも彼からのアプローチで始まった突然の恋と同居。

それでも、心が浮つく自分がすでにいる。

「じゃあ雛子、次はお茶碗を買おう」

「はいっ」

「俺の第一希望は雛柄だ」

「じゃあ、私の第一希望は鷹にします」

私たちは顔を見合わせて笑う。

そして少し繋ぎ慣れてきた大きな手に、私はきゅっと力を込めた。

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