返事も溺愛もキスのあとで
「僕のシャツにアイロンかけさせて、ご飯の作り置きもやらせよ」
「じゃあ由羅のお洗濯もお願いしちゃおーっと」
(僕の予想だと、週明けの仕事が始まるまでに帰って来るはずだから明日の夜かな)
(便利屋には、便利屋ポジちゃんとやってもらわないと)
雛子に恋愛経験がなくて本当に良かった。帰ってきたら叱って、これが《《普通》》だとまた教えこませればいい。
(全部、このイケてる僕が基準なんだ)
(大体、あんな面白みのない家事しかできないマグロ女、そうそうこの僕以上の男など見つかるわけない)
(無駄な抵抗しやがって)
僕は、フンッと鼻を鳴らした。
「ねぇー、守。これって雛子先輩の?」
「ん? どれ?」
見れば由羅がチェストの上に置いてある雛子のノートパソコンを指していた。
「ああ、うん。なんか時々、夜中に企画書?かなんかやってたっぽい」
「へぇ~、パスワード知ってる?」
「ん? なんで?」
由羅がふわふわの髪の毛先を指でいじりながら、小首をかしげる。
「えっと~……そうだ、スマホの充電切れちゃったんだよね。ウーバー来るまで守と次行くランチ検索したくって~だめ?」
「ダメなわけないじゃん。ほんと由羅はかわいいね」
僕は由羅が抱えて持ってきたノートパソコンの電源をいれると、パスワードを入力してロック解除した。