返事も溺愛もキスのあとで
同居から始まったこの恋を重く窮屈に感じさせることなく、でも確実に俺の気持ちを少しずつ伝えて、雛子に俺と言う男に興味を持って欲しい。

そう思いながらも、この生活が続けば彼女の俺への興味だけでは飽きたらず、きっと俺は彼女の全てを欲しがるのだろう。

こんなみっともない独占欲をもつ俺を、彼女はいつか受け入れてくれるのだろうか。

「……傲慢だな」

今はただ、雛子が手を伸ばせばすぐに触れられる距離にいればそれでいい。

「ゆっくり休んでくれ」

そう寝顔に声をかけ、再び寝転ぶ。むりやり目を瞑るが、とてもじゃないが眠れそうにない。

(く……っ、目が冴えすぎている……)

(なぜ……こんなに目がバキバキなんだ……!)

俺は苦悶の表情を浮かべると、こめかみを指で押さえて唸る。

「……これはなかなかにキツイな……」

何もする気が無くても、隣から好きな女性の寝息が聞こえてくるのだ。この状況で体が反応しそうにならない男などいないだろう。しかしながら雛子の気持ちが俺に向くまでは、一線は越えないと固く心に決めている。

「早く俺を好きになってくれ」

そしてたくさん甘やかさせて欲しい、際限なく愛させて欲しい。

俺はぎゅっと瞼を閉じると、羊ではなく愛らしい雛鳥の数を数えながら眠りについた。

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