返事も溺愛もキスのあとで
小さくため息を吐いたその時、ポケットの中のスマホが震える。

(あっ)

私はすぐにスマホの画面を確認する。

──『いま仕事が終わった。帰りにコンビニに寄るが、欲しいものはないか?』

その文言とともに送られてきたのは、鷹のスタンプだった。  

「……っ、かわいい」

するどい目つきの鷹がショッピングバッグを片手に「どう?」と書かれている。

──『雛子のスタンプを見て、俺も買ってみたんだ』

続けて送られてきたメッセージを見て、私はクスクスと声をあげて笑う。

普段はクールで、どこか他人と距離を置いた冷たい印象なのに、私を甘やかしたり、こんなに可愛いスタンプと一緒にメッセージを送ってきたり。
すっぴんを見ただけで頬をそめたと思ったら、ちょっと強引なところがあったりと彼のギャップに翻弄されつつも、もっと彼が知りたくなる。

──『可愛いスタンプですね』

──『室長の帰宅に合わせて、いまからコロッケ作るので、そのまま気を付けて帰ってきてください』

雛が「待ってます」という看板を掲げているスタンプを送れば、速攻で「了解」と返事が来て、鷹が猛ダッシュしているスタンプも一緒に送られてくる。

(LINEしてるだけで、こんな楽しいなんて……)

私は鷹のスタンプをもう一度目でなぞってから、最上階でエレベーターを降りる。

そして彼から貰ったスペアキーで部屋に入ると、すぐにお気に入りの雛柄のエプロンをつけた。

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