返事も溺愛もキスのあとで
「うん、よく言えたな」

(う~~~、なんか恥ずかしい……っ)

無性に恥ずかしくてたまらなくなってタオルケットで私は鼻まで覆った。すると彼の手が伸びてきて私の髪に触れる。

「あの、雪瀬室長?」

そのまま、彼の唇が近づいてくると、おでこにチュッとキスが落とされた。

「きゃあ……っ」

「呼び間違えたからな」

「な……っ」

呼び間違えたら、おでこにキスされるなんて聞いてない。

「鷹、哉さん、あのあまり驚かせないでください……」

「はは、今度は間違えなかったな」

おそらく真っ赤な顔をしている私を見ながら、彼が意地悪く唇を引き上げる。

「そういえば、俺が雛子を好きになった理由まだ言ってなかったな」

「え?」

急に話の矛先を変えた彼に私はきょとんとする。

「──初恋の子に似てるからなんだ」

「そう、なんですか?」

思ってもみない言葉に私は目を丸くする。

「ああ。そうなんだ。本当によく似てる。まるで本人みたいに」

(?)

どんな女の子だったんですか?と聞く前に、室長は私のタオルケットをそっと肩までかけ直す。

「また話すよ。雛子の好きなところ全部含めてゆっくりひとつずつ」

彼の甘すぎる言葉に、心臓が最高潮にドキドキして、私はただ小さく頷く。

「おやすみ、雛子」

「おやすみなさい、鷹哉さん……」

その夜、私たちは初めて手を繋いで眠りについた。
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