返事も溺愛もキスのあとで

第三章 この気持ちを伝えたい



雪瀬室長改め、鷹哉さんと同棲を始めて瞬く間に、三週間が経過した。

始めは慣れなかった暮らしだったが、今は食事作りの担当は私で、掃除全般とゴミ出しは彼が担当してくれている。

彼との暮らしは想像以上に優しさと幸せに満ちていて、以前よりも仕事に張り合いまで出ているこの頃だ。

恋も仕事も順調──ひとつを除いては。


(あのこと……そろそろ鷹哉さんに言おうかな……)

私はたどり着いた、自社ビルのエレベーター乗り場でスマホを取り出した。

そこには一週間に二度程送られてくる、守からの意味不明なポエムが浮かんでいる。


──『麗しい 君の瞳を思い出し 濡らした枕幾度なく』 

──『夏の夜 見上げた星に君思い 月に願うは僕らの幸せ』

(改めて見ると……気持ち悪すぎる)

(今思えば、浮気してくれてほんと良かった)

本人に何度か注意しようかと思ったが、会社では私に近寄ることもなく、このポエム以外に他にメッセージを送ってくるわけでもないため、この二週間ほどは様子をみている。

(ブロックして……また何か言われても嫌だし)

自分の男を見る目のなさに、落ち込みそうにはなるが、あのまま守との生活に我慢しながら同居を続け、結婚して手遅れになる前にわかって良かった。

「別れて良かったな……」

今は本当に毎日が小さな幸せに溢れていて幸せだから。
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