返事も溺愛もキスのあとで


午前中の業務が滞りなく終わり、私は食堂の端っこでお弁当を食べ終わると席を立った。

今日は午後から、ついに企画会議があるのだ。

(頑張ったポテトチップスの企画、今度こそ通すんだ……!)

ここ十日ほど、家で企画書をすることもあったが、彼は紅茶をいれたり、時折肩をもんでくれたりと甘やかしに専念して、企画に関しては「公平に判断したいんだ。すまない」と眉を下げていたのを思い出す。

私は彼のオンとオフの切り替えを、不満に思ったことは一度もない。

むしろ同じ職場で上司と部下である以上、仕事に関してはちゃんとその距離を守りたいし、そう言ってくれる彼を、心の中で惚れ直してしまった。彼には照れて言えなかったけれど。


(お昼休憩あと十五分あるし、早めに準備しておこう)

私は食堂のある三階から、エレベーターで五階に上がる。

(鷹哉さんも食べ終わったかな……?)

鷹哉さんと暮らし始めてから一週間ほど経つ頃から、私は毎朝、お弁当を二つ作っているのだ。 

二つというのはもちろん、自分と彼の分。

社内では相変わらず私たちの交際については公表していないため、昼休みは私は食堂の端っこで、彼はデスクでお弁当を食べている。
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