返事も溺愛もキスのあとで
※※

──大会議室。

「じゃあ早速だが、秋の新商品の企画について順にプレゼンを行ってもらう。その中で秀でた企画だと判断した、上位五名の企画書を、重役会議に提出し審議する」

雪瀬室長の言葉に、いまからプレゼンを控えている、十人ほどの部署のメンバーの顔が引き締まる。


(前回、私の企画の順位は六番目だった)

(今度こそ、本会議まで残りたい……)

すぐにトップバッターの男性社員から順番にプレゼンが始まる。


お酒をたしなむ大人をターゲットにしたワサビ味のポテトチップスに梅マヨ味、目新しさはないが一定の人気が確立されている塩キャラメル味、目新しさで言えば、たらこ味やミートソース味といった様々な企画が、次々とプレゼンされていく。

「……以上で終わります」

私の前の順番の男性社員のプレゼンが、拍手で終わる。

残るは私と姫原さんのみだ。

「じゃあ次は舞川さん。お願いします」

(きた……っ)

「はい」

私は前に立ち、プロジェクターに企画書を映しだした。

少し手が震える。

呼吸を整えてから周りを見渡せば、ふいに彼と目が合った。

(あ……)

彼は誰にもわからないように目で頷くと、大丈夫を言うように僅かに目じりを下げた。

(大丈夫……全力は尽くした)

(プレゼンだって夜、何度も練習したんだから)

私は深く息を吐き出すと、落ち着いてゆっくりとプレゼンを始める。
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