返事も溺愛もキスのあとで
「そ、……それは。あ、そうだ! 偶然、雛子先輩と同じのを思いついただけです。あたしはまた別のを考えますので、今回は取り下げます」

「偶然だと?」

「はい、偶然です」

「俺は個人的に、そんな偶然はあり得ないと思うがな」

「それはどう言う意味ですか? パワハラで訴えますよ」

鼻を鳴らした姫原さんに、鷹哉さんは全く動じない。

「ふっ……パワハラね。いまの俺たちのやり取りをみて聞いていた、沢山の証人がいるのに果たして可能かな」

「……っ」

姫原さんが、苛立ったように小さく舌打ちをする。

そして数秒だまってから、再び口角を上げた。

「ちょっといいですか〜? あたし、人事に知り合いがいるんですよ。今、室長が謝ってくれたら相談しないであげますけど?」

「好きにすればいい」

「なんですって!」

姫原さんが、ヒートアップしてきたところで、私は二人の間に割ってはいる。

「私からもお話いいですか?」

「ああ。勿論だ。双方の意見を聞いた上で判断するべき事案だ」

彼から真っ直ぐに視線を向けられた私は、背筋を伸ばした。

この企画は私のものだ。彼に頼るばかりではなく、自分の気持ちと意見をこの場できちんと伝えたい。

「まずはじめに、この企画は私のもので間違いありません」

「ちょっと、何言ってんのよ!」

「静かにするんだ」

「く……っ」

姫原さんが押し黙ったのを見てから、私は話を続ける。
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