夏と君
ドキドキしたまま最寄駅に着くと、アヤトくんは

「さくの家、どの辺なの?」と聞かれた。



「えっと、白石呉服店って調べればでてくるんだけど・・・」
と私がスマホを取り出すと彼は驚いた顔をしていた。



「え!?さくんちそうなの!?」


「あれ?言ってなかったっけ!?」



またまた伝えた気になっていた私の家のこと。




「なに。お嬢様なの。さく。」


「いやいや、庶民ですけど。お店の歴史が長いだけだよ。」


「いや、すげーよ。地元の名家じゃん。」と信じて貰えなかった。



そんな話をしながら彼に送ってもらっていると見慣れた道にでた。




「アヤトくん、ありがとう。
そこ曲がったら家だからもう大丈夫!!
送ってくれてありがと!」と握られた手を離そうとしたら、





「さく!ちょっとまって!」と握られた手を強く握られた。




「今日は楽しかった!
また、夏休み遊ぼう。みんなと一緒でいいから!」



「こちらこそ!とっても、ありがとう、いろいろと……
金魚もありがとう!大切に育てます。絶対に遊ぼうね、約束!」




とまさかのまた遊ぶ約束をしてアヤトくんとバイバイした。


私の心臓はずっとドキドキしていて、その日は眠れなかった。




あとから知ったはなしだけど、私が家の中に入るまで見ててくれたらしい。
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