夏と君 【完】
「ねえ、オレ、まだ好きだよ。っていうかずっと変わらずに好きだよ。」
「彼女いたのに?」と意地悪な顔をして笑う彼女。
「それは不誠実でごめんなんだけど。
いっときミウナのこと忘れようと思ったんだけど、やっぱり違くなって。
諦められなくてごめん。」
いつまでも諦められない自分に嫌気がさして、他の女の子と付き合った。
不誠実だけど、でもやっぱり忘れられなくて。
「私、たぶん、高校卒業するときにはもう早坂のこと好きだったんだと思う。
気づくの遅くてごめんね。でもてるのことが気になっている自分がいて、フラれたのにね。」
ミウナはてるのことが入学当初から好きで、それはオレも知っていた。
高校2年のときに告白したけどフラれて、
「上原くん」と呼んでいたのに、フラれた後からは「てる」と呼ぶようになった。
前に言っていた。「上原くん」は好きだった人で「てる」は友達と区別したいと。
「考えとくって言ったのは早坂のことちょっと意識し始めてたからで、
その後に早坂が驚いたようにまじ?って言うから恥ずかしくなって、
照れ隠しでやっぱ無理って言っちゃったんだよね。」
「卒業してからも私たち一緒に上京してたのもあって頻繁に遊んでたでしょ。
それで、私、早坂と居ると、居心地良いんだよね。というかなんでも楽しいの。
無言でも心地よくって、」
「あぁ、ちゃんと好きだって気づいた時にはもう遅くて、
早坂、彼女作っちゃうし、卒業式の日から告白ぴたっと止まっちゃったから、
もう私って友達なんだ。だよね。って少し凹んだ。」
「忘れようって思って私も彼氏つくってみたりしたけど変なのばっかりだったし、
全然楽しくないし、まあ、私もかなり不誠実だよね。」とシュンとしている。
「友達辞めたくないしもうこのまま早坂が誰かと結婚するまで一緒に居よう。
友達でいいから傍にいたい。って勝手におもってたんだけど、、、」
オレとまったく同じ思考、お互いすれ違いすぎていたみたい。
24歳の冬、俺たちは晴れて付き合うことになった。