毒を持つ娘と、毒を食う獣魔王 ~偽りの愛と復讐劇~
第3話 近衛兵アレンと姫様
深い眠りから目を覚ますと、リィラはベッドの上に寝かされていた。眠りというよりは長い時間、気絶していたと思われる。
仰向けになると色が認識できないほどに高い天井がぼんやりと視界に映る。一人で寝るには大きすぎるベッドで、毛布の中で両手足を大の字に広げても障害物が何もない。
それに清潔で白いシーツ。それらを見る限り、餌と言われた割には丁重な扱いをされている気がした。
視線を天井から横に向けると、魔族の赤い瞳がリィラの顔を覗き込んでいた。
「目が覚めたか」
「きゃあっ!?」
気配もなく側にいた男の顔を見て思わず驚きに声を上げてしまった。
この人は確か、近衛兵のアレン。今は鎧ではなく黒いスーツを着ている。
「あ、えっと……私、どうしたんだっけ……」
「ずっと寝てた。今は夜だ」
最初に会った時からそうだが、アレンという男は無感情で言葉も短い。ゼンティの銀髪もだが、アレンの金髪も人とは思えないほどに美しい。
改めてアレンの赤い瞳と目を合わせて思うが、この男も間違いなく獣魔だ。という事は、彼の姿は……。
「……あなたの体も人間を食べて奪ったものなの?」
「そうだ。獣魔族は成人したら人間の体と名前を手に入れる決まりだ」
「生まれてから成人するまでは獣の姿ってこと?」
「そういう事だ」
リィラが質問すれば、アレンは丁寧に答えてくれる。
獣魔族は成人すると、捕食した人間の体を得る能力が備わるらしい。捕食される人間からすれば恐ろしい話だが、それが獣魔族の生態であった。
思い出してみると、生前のセンティは20歳。成人を迎えた魔物が手に入れる体としては適齢であった。
そしてセンティよりも少し年上に見えるアレンも、かつて成人したと同時にアディール王国の近衛兵・アレンを捕食したのだ。
……その時、リィラは重要な事に気付いた。
「なら、ここってアディール王国ではないの!?」
「そうだ。ここは獣魔の国、ベスティア王国。ゼンティ様は獣魔の王だ」
アディール王国に連れて来られたと思っていたが、全く別の国である事が判明した。
仰向けになると色が認識できないほどに高い天井がぼんやりと視界に映る。一人で寝るには大きすぎるベッドで、毛布の中で両手足を大の字に広げても障害物が何もない。
それに清潔で白いシーツ。それらを見る限り、餌と言われた割には丁重な扱いをされている気がした。
視線を天井から横に向けると、魔族の赤い瞳がリィラの顔を覗き込んでいた。
「目が覚めたか」
「きゃあっ!?」
気配もなく側にいた男の顔を見て思わず驚きに声を上げてしまった。
この人は確か、近衛兵のアレン。今は鎧ではなく黒いスーツを着ている。
「あ、えっと……私、どうしたんだっけ……」
「ずっと寝てた。今は夜だ」
最初に会った時からそうだが、アレンという男は無感情で言葉も短い。ゼンティの銀髪もだが、アレンの金髪も人とは思えないほどに美しい。
改めてアレンの赤い瞳と目を合わせて思うが、この男も間違いなく獣魔だ。という事は、彼の姿は……。
「……あなたの体も人間を食べて奪ったものなの?」
「そうだ。獣魔族は成人したら人間の体と名前を手に入れる決まりだ」
「生まれてから成人するまでは獣の姿ってこと?」
「そういう事だ」
リィラが質問すれば、アレンは丁寧に答えてくれる。
獣魔族は成人すると、捕食した人間の体を得る能力が備わるらしい。捕食される人間からすれば恐ろしい話だが、それが獣魔族の生態であった。
思い出してみると、生前のセンティは20歳。成人を迎えた魔物が手に入れる体としては適齢であった。
そしてセンティよりも少し年上に見えるアレンも、かつて成人したと同時にアディール王国の近衛兵・アレンを捕食したのだ。
……その時、リィラは重要な事に気付いた。
「なら、ここってアディール王国ではないの!?」
「そうだ。ここは獣魔の国、ベスティア王国。ゼンティ様は獣魔の王だ」
アディール王国に連れて来られたと思っていたが、全く別の国である事が判明した。