毒を持つ娘と、毒を食う獣魔王 ~偽りの愛と復讐劇~
 夕食が終わるとリィラは大浴場に連れて行かれて、3人のメイドたちの手によって綺麗に全身を洗われた。

 入浴が終わると寝間着を着せられて、そのままゼンティの自室へと連れていかれた。
 この流れは……どう考えてもアレだった。

「待ってたよ、リィラちゃん。ふふ、綺麗になったね」

 銀色のキングザイズのベッドに敷かれた純白のシーツの上で、ゼンティは肘をついて寝ながら微笑んでいる。
 真っ白なシャツの前ボタンをいくつか外した胸元の色気も含め、彼の全てが息を呑むほどに美しい。

 だが、リィラはゼンティのベッドの前に立ち尽くして両手の拳を握りしめている。

「なんか、全身を綺麗に洗われて……こんな服着せられて……なんなの?」

 リィラが着ている寝間着は純白のキャミソールワンピースで、肩から胸元までの肌を露出している。しかも薄いシルク素材で下着と変わらない。
 これは、どう考えても夜伽。ご奉仕しろという事だろう。

「僕とお揃いで白が似合うね。リィラちゃんの紫の髪がよく映える。綺麗だよ」

 この魔物は家畜にも口説くのだろうか。センティの人格と笑顔を駆使するのは卑怯だとリィラは強く思う。

「さぁ、僕のリィラちゃん。美味しく食べてあげるから、こっちにおいで」

 それはどっちの意味なのだろうか。単純に餌として食べられると分かっていても、どこか淡い期待をしてしまうのが悲しい。
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