毒を持つ娘と、毒を食う獣魔王 ~偽りの愛と復讐劇~
第4話 偽りの婚姻
リィラが目を覚ますと、ベッドに沈んだ全身の肌は柔らかい毛布に包まれていた。
視界は薄暗く、おそらく時刻は明け方だろうか。
裸なのに寒くないのは、隣で眠る美しい魔物の素肌のおかげだと分かる。人間よりも体温が高いのだろうか。
ゼンティは子供のような寝顔で寝息を立てていて隙だらけだ。今なら逃亡でも復讐でも出来そうなのに。
……体がだるい。重い。それに鈍い痛みも。魂が抜けたように力が入らない。魔物に食べ尽くされた体は、もう自分の物ですらなくなった感覚がする。
「……リィラちゃん、起きた?」
ふと意識が現実に戻ると、いつの間にか目の前にゼンティの瞳があった。その色は魔物の赤い瞳ではなく、澄んだスカイブルー。
「ゼンティ、瞳の色が……?」
「違うよ、僕はセンティ。今、魔物の方は眠ってる」
「センティ……センティなの!?」
その衝撃で意識は覚醒したが、相変わらず体は動かない。目の前にいる彼は、魔物のゼンティではなく王子センティの人格だった。
ゼンティは新しい体を手に入れたばかりで、センティの心と体と人格をまだ完全には支配しきれていない。
「これだけは伝えたくて。僕はリィラちゃんが好きだ。本当は結ばれたかった」
「センティ……私もセンティが好き。なのに、ごめんなさい……」
自分のせいで魔物に殺されてしまったセンティに対しては、想いを伝えるよりも謝罪したかった。
視界は薄暗く、おそらく時刻は明け方だろうか。
裸なのに寒くないのは、隣で眠る美しい魔物の素肌のおかげだと分かる。人間よりも体温が高いのだろうか。
ゼンティは子供のような寝顔で寝息を立てていて隙だらけだ。今なら逃亡でも復讐でも出来そうなのに。
……体がだるい。重い。それに鈍い痛みも。魂が抜けたように力が入らない。魔物に食べ尽くされた体は、もう自分の物ですらなくなった感覚がする。
「……リィラちゃん、起きた?」
ふと意識が現実に戻ると、いつの間にか目の前にゼンティの瞳があった。その色は魔物の赤い瞳ではなく、澄んだスカイブルー。
「ゼンティ、瞳の色が……?」
「違うよ、僕はセンティ。今、魔物の方は眠ってる」
「センティ……センティなの!?」
その衝撃で意識は覚醒したが、相変わらず体は動かない。目の前にいる彼は、魔物のゼンティではなく王子センティの人格だった。
ゼンティは新しい体を手に入れたばかりで、センティの心と体と人格をまだ完全には支配しきれていない。
「これだけは伝えたくて。僕はリィラちゃんが好きだ。本当は結ばれたかった」
「センティ……私もセンティが好き。なのに、ごめんなさい……」
自分のせいで魔物に殺されてしまったセンティに対しては、想いを伝えるよりも謝罪したかった。