毒を持つ娘と、毒を食う獣魔王 ~偽りの愛と復讐劇~
花壇の前のベンチには若い男女が肩を寄せ合って座っていた。おそらく恋人だろうが、ゼンティが近付いてくると二人は慌てて素早く同時に立ち上がった。
男性の方が、かしこまった態度でゼンティに頭を下げた。
「失礼しました。どうぞお座りください」
ゼンティは昨日まで獣の姿だったが、人の姿になっても誰だか分かるらしい。獣魔の嗅覚か何かで分かるのだろうか。
相変わらずゼンティはニコニコと微笑んでいる。
「いいよ、君たちが座って。あと僕の名はゼンティになったよ。君たちも人の体になったばかりだよね?」
「はい、そうです」
「ふふ、おめでとう。幸せにね」
「……はい、ありがとうございます!」
若い男女は深く頭を下げると再びベンチに座って寄り添った。獣魔のカップルは成人して人の体を得た事によってベスティア王国で結婚できる。
つまり二人の愛は人間を捕食して得たのだから、リィラには素直に微笑ましいとは思えない。
ゼンティたち一行は再び歩き出すと花壇の反対側へと回る。そこには石で作られたテーブルと椅子が設置されている。
「じゃあ、ここで朝ごはんにしよう! アレン、準備よろしく」
「はい。承知しました」
アレンは手に持ってたバスケットから、ランチマットや弁当箱を取り出してテーブルの上に並べ始める。
本当に近衛兵なのか、アレンは早起きをしてサンドイッチを手作りしていた。城のメイドやコックが形無しである。
そんなアレンの足元ではヒメが尻尾を振って見上げている。ヒメは基本的にアレンから離れない。
男性の方が、かしこまった態度でゼンティに頭を下げた。
「失礼しました。どうぞお座りください」
ゼンティは昨日まで獣の姿だったが、人の姿になっても誰だか分かるらしい。獣魔の嗅覚か何かで分かるのだろうか。
相変わらずゼンティはニコニコと微笑んでいる。
「いいよ、君たちが座って。あと僕の名はゼンティになったよ。君たちも人の体になったばかりだよね?」
「はい、そうです」
「ふふ、おめでとう。幸せにね」
「……はい、ありがとうございます!」
若い男女は深く頭を下げると再びベンチに座って寄り添った。獣魔のカップルは成人して人の体を得た事によってベスティア王国で結婚できる。
つまり二人の愛は人間を捕食して得たのだから、リィラには素直に微笑ましいとは思えない。
ゼンティたち一行は再び歩き出すと花壇の反対側へと回る。そこには石で作られたテーブルと椅子が設置されている。
「じゃあ、ここで朝ごはんにしよう! アレン、準備よろしく」
「はい。承知しました」
アレンは手に持ってたバスケットから、ランチマットや弁当箱を取り出してテーブルの上に並べ始める。
本当に近衛兵なのか、アレンは早起きをしてサンドイッチを手作りしていた。城のメイドやコックが形無しである。
そんなアレンの足元ではヒメが尻尾を振って見上げている。ヒメは基本的にアレンから離れない。