毒を持つ娘と、毒を食う獣魔王 ~偽りの愛と復讐劇~
リィラはその時、ある事に気付いた。
「あ、ベスティアって国名は、もしかして……?」
「そうそう、父さんと母さんの名前を足したんだよ!」
先代の獣魔王ベスティと、王妃スティアの名前を足してベスティア王国。それは納得したが、不思議なのは両親の容姿がゼンティにそっくりな事であった。
おそらく獣魔は適当な人間を捕食して体を得るのだろうから、単なる偶然で容姿が似るとは思えない。
そんな事を考えている間にも、ベスティはニヤニヤしながらゼンティとリィラを見て何かを言いたげだ。
「ところでゼンティ、もうリィラちゃんに種付けは済んだのかな?」
「うん、バッチリ交尾してるよ!」
「あらぁ、初孫が楽しみだわぁ~」
リィラは顔を赤くして俯いてしまった。魔物の会話は言葉を伏せるという事をしない。
その様子を見て、ゼンティはリィラの肩を抱いて引き寄せた。
「じゃあ、父さん。母さん。僕がいない間、ベスティア国をよろしくね」
「……え?」
リィラは顔を上げてゼンティの美しい横顔を見つめる。
この言い方だと、ゼンティはどこかへ旅立つのだろうか。そんな話は聞いていない。
いつの間にかベスティもスティアの肩を抱いて寄り添っている。ゼンティと同じ事をするのは、さすが親子である。
「ふぅ、まったく。せっかく隠居してゆっくりできると思ったのになぁ、また王様かぁ」
「まぁ、いいじゃないの。王様のベスティも素敵よ~」
「スティア……王妃のスティアも素敵だよ、愛してるよ!」
「うふふ。もう、ベスティったら、息子夫婦の前で恥ずかしい~」
急にイチャつき始めた先代の王と王妃の前でリィラは遠い目をする。仲が良い夫婦なのは充分に分かった。
先代の二人が玉座に座っていたのは、ゼンティが不在の期間はベスティが再び王位に就くのだと理解した。
「あ、ベスティアって国名は、もしかして……?」
「そうそう、父さんと母さんの名前を足したんだよ!」
先代の獣魔王ベスティと、王妃スティアの名前を足してベスティア王国。それは納得したが、不思議なのは両親の容姿がゼンティにそっくりな事であった。
おそらく獣魔は適当な人間を捕食して体を得るのだろうから、単なる偶然で容姿が似るとは思えない。
そんな事を考えている間にも、ベスティはニヤニヤしながらゼンティとリィラを見て何かを言いたげだ。
「ところでゼンティ、もうリィラちゃんに種付けは済んだのかな?」
「うん、バッチリ交尾してるよ!」
「あらぁ、初孫が楽しみだわぁ~」
リィラは顔を赤くして俯いてしまった。魔物の会話は言葉を伏せるという事をしない。
その様子を見て、ゼンティはリィラの肩を抱いて引き寄せた。
「じゃあ、父さん。母さん。僕がいない間、ベスティア国をよろしくね」
「……え?」
リィラは顔を上げてゼンティの美しい横顔を見つめる。
この言い方だと、ゼンティはどこかへ旅立つのだろうか。そんな話は聞いていない。
いつの間にかベスティもスティアの肩を抱いて寄り添っている。ゼンティと同じ事をするのは、さすが親子である。
「ふぅ、まったく。せっかく隠居してゆっくりできると思ったのになぁ、また王様かぁ」
「まぁ、いいじゃないの。王様のベスティも素敵よ~」
「スティア……王妃のスティアも素敵だよ、愛してるよ!」
「うふふ。もう、ベスティったら、息子夫婦の前で恥ずかしい~」
急にイチャつき始めた先代の王と王妃の前でリィラは遠い目をする。仲が良い夫婦なのは充分に分かった。
先代の二人が玉座に座っていたのは、ゼンティが不在の期間はベスティが再び王位に就くのだと理解した。