毒を持つ娘と、毒を食う獣魔王 ~偽りの愛と復讐劇~
しかしリィラは、センティの『妹を頼む』という言葉を思い出した。センティに妹がいるなら、王女として強い権力を持っている。
ゼンティはきっと復讐に邪魔な存在には容赦しない。センティの願い通り、リィラは王女を守りたいと思った。
「ゼンティ、お願い! 私も一緒にアディールに行く!」
「……リィラちゃん?」
ゼンティは瞳を赤い満月の形に見開いて驚いている。こんな表情も初めて見る。
今まではリィラが『お願い』と言えばゼンティは何でも叶えてくれた。とはいえ、今回ばかりは難しいかもしれない。
「だって私は、えっと、ゼンティの携帯食でしょ!? 万が一の非常食にもなるから! 絶対に一緒の方がいいから!!」
やっと妻の自覚が芽生えたのに、すぐに餌であることを自ら主張し始めたリィラであった。
必死に懇願するリィラがおかしくて、ゼンティは吹き出して笑う。
「あはは! 当然、そのつもりだよ。リィラちゃんの毒が吸えないなんて僕が耐えられないからね」
ゼンティは最初からリィラから離れる気はなかった。考えてみればリィラ依存症なのだから当然であった。
ゼンティは赤の瞳を妖艶に細めてリィラのパープルアイに近付く。
「それにリィラちゃんだって、僕に吸われたいでしょ」
「な? そんなこと……」
「ふふ。いつも気持ちいい顔してるくせに」
「そんなことない!」
まるでリィラもゼンティ依存症だと言われているみたいで、リィラは羞恥心に耐えられない。
リィラがムキになればなるほど、ゼンティは楽しそうに笑う。
「じゃ、試してあげるよ。絶対に気持ちよくなるからね」
リィラの白い頬をゼンティは両手で包む。リィラが手の平の体温を頬で感じるよりも前に、熱い唇が重なる。
濃厚な花の蜜を味わうようにゼンティは瞳を閉じながら、リィラの思考すらも激しく掻き回していく。
(……ゼンティ……)
今では確かにゼンティの行為に不快など感じない。自分の毒がゼンティを悦ばせているのだと思うと身体の芯がゾクゾクと震える。
それは物理的な気持ち良さとは違う、心理的な快感。この感じを何と表現していいのか分からない。
ゼンティはきっと復讐に邪魔な存在には容赦しない。センティの願い通り、リィラは王女を守りたいと思った。
「ゼンティ、お願い! 私も一緒にアディールに行く!」
「……リィラちゃん?」
ゼンティは瞳を赤い満月の形に見開いて驚いている。こんな表情も初めて見る。
今まではリィラが『お願い』と言えばゼンティは何でも叶えてくれた。とはいえ、今回ばかりは難しいかもしれない。
「だって私は、えっと、ゼンティの携帯食でしょ!? 万が一の非常食にもなるから! 絶対に一緒の方がいいから!!」
やっと妻の自覚が芽生えたのに、すぐに餌であることを自ら主張し始めたリィラであった。
必死に懇願するリィラがおかしくて、ゼンティは吹き出して笑う。
「あはは! 当然、そのつもりだよ。リィラちゃんの毒が吸えないなんて僕が耐えられないからね」
ゼンティは最初からリィラから離れる気はなかった。考えてみればリィラ依存症なのだから当然であった。
ゼンティは赤の瞳を妖艶に細めてリィラのパープルアイに近付く。
「それにリィラちゃんだって、僕に吸われたいでしょ」
「な? そんなこと……」
「ふふ。いつも気持ちいい顔してるくせに」
「そんなことない!」
まるでリィラもゼンティ依存症だと言われているみたいで、リィラは羞恥心に耐えられない。
リィラがムキになればなるほど、ゼンティは楽しそうに笑う。
「じゃ、試してあげるよ。絶対に気持ちよくなるからね」
リィラの白い頬をゼンティは両手で包む。リィラが手の平の体温を頬で感じるよりも前に、熱い唇が重なる。
濃厚な花の蜜を味わうようにゼンティは瞳を閉じながら、リィラの思考すらも激しく掻き回していく。
(……ゼンティ……)
今では確かにゼンティの行為に不快など感じない。自分の毒がゼンティを悦ばせているのだと思うと身体の芯がゾクゾクと震える。
それは物理的な気持ち良さとは違う、心理的な快感。この感じを何と表現していいのか分からない。