毒を持つ娘と、毒を食う獣魔王 ~偽りの愛と復讐劇~
第11話 秘密の研究室
ゼンティとの結婚式を控えたリィラは、王妃になるために様々な教育を受ける日々であった。
口調や礼儀など淑女の嗜み、食事や社交のマナー。それに貴族の交流会、お茶会、晩餐会などにもゼンティと共に必ず出席する。
王子の記憶を持つゼンティは慣れた様子で余裕だが、一般人のリィラは疲れ果ててしまう。
「リィラちゃん、毒を吸いたいんだけど……」
「どうぞ、お好きなだけ、お召し上がりくださいませ」
「……リィラちゃん、口調がレンみたいになってるよ……」
ゼンティは本気で引いている。宿敵のレンティを連想してしまい、それだけで食欲が失せてしまう。
リィラは記憶喪失の設定なので、ある程度の世間知らずは許されるものの、貴族の生活には慣れない。
これなら家畜扱いされていたが自由に生活できたベスティア王国の方が楽だったかもしれない。
ゼンティは人目に付かない場所に外出さえしなければ、城で命を狙われる事はない。一見、平穏な暮らしに思えた。
昼下がりの休憩時間にリィラが一人で中庭を歩いていると、花壇の前に腰掛けて休憩している男性を見かけた。
それは以前にも会った、黒衣に黒い髪のドクターだった。
「あっ! リィラ様、お疲れ様です」
ドックは明るい笑顔でリィラに手を振る。リィラはもうすぐ王妃になるのに、友達に接するようなドックの態度は変わらない。
リィラはドックに近付いて立ち止まると、ドレスの裾をつまんで丁寧にお辞儀をする。すっかり貴族の挨拶のマナーが身に付いている。
「ドックさん、こんにちは。今日は珍しく地上にいるのね」
「あはは、そんなモグラみたいに言わないで下さいよ。僕だってお日様の下で休憩します」
暗い地下の研究室で孤独に働いている割には、ドックは明るい性格をしている。逆に笑顔ばかりで心が読めない怖さもある。
口調や礼儀など淑女の嗜み、食事や社交のマナー。それに貴族の交流会、お茶会、晩餐会などにもゼンティと共に必ず出席する。
王子の記憶を持つゼンティは慣れた様子で余裕だが、一般人のリィラは疲れ果ててしまう。
「リィラちゃん、毒を吸いたいんだけど……」
「どうぞ、お好きなだけ、お召し上がりくださいませ」
「……リィラちゃん、口調がレンみたいになってるよ……」
ゼンティは本気で引いている。宿敵のレンティを連想してしまい、それだけで食欲が失せてしまう。
リィラは記憶喪失の設定なので、ある程度の世間知らずは許されるものの、貴族の生活には慣れない。
これなら家畜扱いされていたが自由に生活できたベスティア王国の方が楽だったかもしれない。
ゼンティは人目に付かない場所に外出さえしなければ、城で命を狙われる事はない。一見、平穏な暮らしに思えた。
昼下がりの休憩時間にリィラが一人で中庭を歩いていると、花壇の前に腰掛けて休憩している男性を見かけた。
それは以前にも会った、黒衣に黒い髪のドクターだった。
「あっ! リィラ様、お疲れ様です」
ドックは明るい笑顔でリィラに手を振る。リィラはもうすぐ王妃になるのに、友達に接するようなドックの態度は変わらない。
リィラはドックに近付いて立ち止まると、ドレスの裾をつまんで丁寧にお辞儀をする。すっかり貴族の挨拶のマナーが身に付いている。
「ドックさん、こんにちは。今日は珍しく地上にいるのね」
「あはは、そんなモグラみたいに言わないで下さいよ。僕だってお日様の下で休憩します」
暗い地下の研究室で孤独に働いている割には、ドックは明るい性格をしている。逆に笑顔ばかりで心が読めない怖さもある。