イケメンすぎる、君が好き。
「桐生くん、こっち来てーっ!」

「んー?」

ぱたぱたと呼ばれた方に向かう。

その瞬間、胸の奥に小さな引っかかりが残った。

今週、ずっとこんな感じだったな。

朝はほとんど目線だけで挨拶をして、

昼休み、少し離れたところから遥の姿を見つける。

放課後は、人だかりの中心から遥の背中を見送るだけ。

前は、もっとくだらない話をしてたな。

遥が朝から眠そうだったら、ちゃんと寝たのー?なんてからかって、

何か面白いことがあれば、一番に話した。

なのに今は、一番隣にいてほしい遥だけが、私のそばにいなかった。

ファンの子達が話しかけてくれることはすごく嬉しいし、

試合を見てくれたことも、応援してくれたことも嬉しかった。

―――でも。

「かっこいい」

その言葉を聞くたびに、心の奥でくすぶる不安が胸の奥に沈んでいく。

............遥は、どう思ってるんだろう。

「桐生くんってほんと王子様だよね」

「そこら辺のアイドルよりイケメンだよねー!」

そんな言葉を笑って受け取るたびに、ふと考えてしまう。

遥は、自分よりかっこいい彼女なんて、嫌なんじゃないかって。

私は遥の彼女なのに、

周りから「かっこいい」って言われるのは遥じゃなく私。

……それって。

遥から見たら、どう映るんだろう。

遥は、明るくて、優しくて、犬みたいで。

みんなに好かれるタイプだから。

余計に、そういう事を気にしているんじゃないかって思ってしまう。

このもやもやはきっと、開いてしまった遥との距離のせいでもあるのだろう。

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