イケメンすぎる、君が好き。
「…………っ」

心臓が、跳ねた。

近い。

いや、近すぎる。

「遥?」

もう一度呼ばれて、ようやく我に返る。

「あ、うん……大丈夫」

「本当に?」

「おー。葵が助けてくれたし」

そう答えると、葵はほっとしたように息を吐いた。

それからゆっくりと腕を緩める。

「よかった」

離れていく体温に、なぜか少しだけ名残惜しさを感じてしまった。

……いや、何考えてんだ、俺。

階段から落ちかけたんだぞ。

もっと他に考えることあるだろ。

「ごめん。俺がちゃんと避ければよかった」

「不意打ちだったし、遥は悪くないよ」

そう言いながら、葵は何でもなかったように階段を上り始めた。

俺も素知らぬ顔で隣を歩くけれど、

さっき耳元で聞いた声が、どうしても頭から離れない。

――大丈夫?

たったそれだけなのに。

なんだよ。

格好いいにもほどがあるだろ……。
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