冷血心臓外科医はお飾り妻を逃がさない~愛なき契約から始まる甘く暴かれる独占婚~
「でも、成明さんは条件だけで結婚するような人じゃ……」
強がりでも負け惜しみでもない。成明さんは、なんだかんだ言ってきちんと人の本質を見ている。大体、条件だけで結婚するならもうとっくに――。
「桑名さん、三神さんのこともなにもわかっていないのね」
石坂さんが憐れみをまとった目線を向けてくる。
「三神さん自身の意思はあまり関係ないの。彼はお父さまが結婚を命じたら素直に応じる人よ」
あっ……。
成明さんがご両親に抱いている思いが特別なのを知っている。
「先週の金曜日だったかしら。夜、三神さんいなかったでしょ? 私ね、彼と会っていたの」
彼女の発言に目を見張る。私の誕生日だった日だ。
『人と会う約束があるんだ』
成明さんは前日にそう話していた。それから――
『ああ。山本先生の姪とは会っている。もちろん小夜には言っていない』
石坂さんと会っていたのは本当だったんだ。
「彼のお父さまが帰国してから、再度会う約束もしているのよ。あなたはなにも知らないでしょうけれど」
唇をぎゅっと噛みしめる。
「どうして、ですか? 私、石坂さんになにかしましたか?」
彼女が成明さんと本気でどこまで結婚したいのかはわからない。けれど今だけではなく、会社にいたときから、彼女からの悪意は感じ取っていた。最初は親切だったのに……だからこそわからない。石坂さんが私に向ける敵意が。
石坂さんの顔からすっと笑みを消し、冷たい表情になった。
強がりでも負け惜しみでもない。成明さんは、なんだかんだ言ってきちんと人の本質を見ている。大体、条件だけで結婚するならもうとっくに――。
「桑名さん、三神さんのこともなにもわかっていないのね」
石坂さんが憐れみをまとった目線を向けてくる。
「三神さん自身の意思はあまり関係ないの。彼はお父さまが結婚を命じたら素直に応じる人よ」
あっ……。
成明さんがご両親に抱いている思いが特別なのを知っている。
「先週の金曜日だったかしら。夜、三神さんいなかったでしょ? 私ね、彼と会っていたの」
彼女の発言に目を見張る。私の誕生日だった日だ。
『人と会う約束があるんだ』
成明さんは前日にそう話していた。それから――
『ああ。山本先生の姪とは会っている。もちろん小夜には言っていない』
石坂さんと会っていたのは本当だったんだ。
「彼のお父さまが帰国してから、再度会う約束もしているのよ。あなたはなにも知らないでしょうけれど」
唇をぎゅっと噛みしめる。
「どうして、ですか? 私、石坂さんになにかしましたか?」
彼女が成明さんと本気でどこまで結婚したいのかはわからない。けれど今だけではなく、会社にいたときから、彼女からの悪意は感じ取っていた。最初は親切だったのに……だからこそわからない。石坂さんが私に向ける敵意が。
石坂さんの顔からすっと笑みを消し、冷たい表情になった。