冷血心臓外科医はお飾り妻を逃がさない~愛なき契約から始まる甘く暴かれる独占婚~
さすがに森下課長が石坂さんにしていた仕打ちは知らないだろうけれど、たしか石坂さんとは同期だったはずだ。よっぽど腹に据えかねていたのか、彼の勢いは止まらない。
「一度、彼女が作った資料に大きなミスがあって、修正を頼んでいたのにそれをせず、先方と揉めることがあったんだ」
苦虫を噛み潰したような顔。結局、小宮さんたち営業が頭を下げ、事なきを得たそうだ。
「あいつに何度も言い寄られて嫌気が差していたのもあったから、かなりきつい言葉で拒絶して、桑名が作った資料の方がよっぽどわかりやすい。次からは桑名にお願いするって言ったんだ。それから石坂の態度があからさまに悪くなって……」
意外な事実に目を見張る。石坂さんが小宮さんを? たしかに小宮さんは爽やかなルックスで、性格も気さくで優しい。憧れていた女子社員は何人もいた。
そこで、ある可能性が頭をよぎった。たしか、石坂さんの私への態度が冷たくなったのは小宮さんが辞める前後だったような。
『こっちが手に入れようとするものをあっさり掠め取っていくんだもの。本当に腹が立つ』
石坂さんが想いを寄せていた小宮さんが、彼女に応えず私を認める発言をしたから?
「だいたい、桑名のことだって両親がいないからって下に見ていたのも気に入らなかった。個人的な事情を吹聴するのも」
彼は苛立ちながら髪を掻き上げた。そこではっとした面持ちになる。
「一度、彼女が作った資料に大きなミスがあって、修正を頼んでいたのにそれをせず、先方と揉めることがあったんだ」
苦虫を噛み潰したような顔。結局、小宮さんたち営業が頭を下げ、事なきを得たそうだ。
「あいつに何度も言い寄られて嫌気が差していたのもあったから、かなりきつい言葉で拒絶して、桑名が作った資料の方がよっぽどわかりやすい。次からは桑名にお願いするって言ったんだ。それから石坂の態度があからさまに悪くなって……」
意外な事実に目を見張る。石坂さんが小宮さんを? たしかに小宮さんは爽やかなルックスで、性格も気さくで優しい。憧れていた女子社員は何人もいた。
そこで、ある可能性が頭をよぎった。たしか、石坂さんの私への態度が冷たくなったのは小宮さんが辞める前後だったような。
『こっちが手に入れようとするものをあっさり掠め取っていくんだもの。本当に腹が立つ』
石坂さんが想いを寄せていた小宮さんが、彼女に応えず私を認める発言をしたから?
「だいたい、桑名のことだって両親がいないからって下に見ていたのも気に入らなかった。個人的な事情を吹聴するのも」
彼は苛立ちながら髪を掻き上げた。そこではっとした面持ちになる。