冷血心臓外科医はお飾り妻を逃がさない~愛なき契約から始まる甘く暴かれる独占婚~
 結局、三神さんとは顔を合わさないまま数日が過ぎ、気づけばここに通い始めて五日が経過していた。毎食用意しているがそのどれもに三神さんが口をつけた形跡はない。

 他になにか食べているならいいけれど……冷蔵庫やパントリーに食材らしい食材はない。浩明さんから、ろくに食事をとらないとは聞いていたけれど、ここまでとは。

 まさか本当にサプリと水だけで生活しているの?

 そのときリビングのドアが開く音がして、私は勢いよく振り返った。

「おかえりなさい」

 姿を見た瞬間、どういうわけか安堵し反射的に言葉が出た。三神さんは面食らった表情を見せた後、眉間に皺をよせる。

 ブルーグレーのニットに黒のズボンというシンプルな格好だが 品のよさが現れている。仕事なのかプライベートで出かけていたのかは不明だが、背が高くて引き締まった体の彼はなにを着てもよく似合うと思った。

「まだ、いたのか」

「いましたよ。あの……」

 食事について尋ねようとしたが、別のことに意識が向く。

「大丈夫ですか?」

 唐突な私の質問に三神さんは怪訝な顔になった。気にせず私は先を続ける。

「顔色が悪いですよ!」

 勘違いではない。仕事帰りの疲労とはまた違う、体調の悪さが滲み出ていた。
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