冷血心臓外科医はお飾り妻を逃がさない~愛なき契約から始まる甘く暴かれる独占婚~
第七章 エンドポイントの先に待つ未来
 成明さんと話して、自分の気持ちを伝えよう。お互いに納得したうえでの割り切った結婚だったけれど、私の想いが変わったように、成明さんだって事情が変わったのかもしれない。

 そう決めたものの成明さんはずっと忙しく、あまり顔を合わせられなかった。

 彼自身話していたように、週が明けて帰りが遅い日が続く。

 石坂さんと会うのは、今日かな。

 彼のシフトを教えてもらっているから予想できてしまうのが余計につらい。

「小夜さん?」

 はっと我に返ると、さやかちゃんが心配そうな表情でこちらを覗き込んでいた。

「大丈夫?」

「大丈夫! さやかちゃんこそ無理してない?」

 病室から出られない状態が続いたさやかちゃんだが、今日は部屋の外に出られ、本がたくさんあるスペースに腰を下ろした。

「うん。今日は少し調子がいいんだ」

 そう言うもののさやかちゃんの顔色はあまりよくない。やはり病室に戻るよう促すべきではないか。

「この前ね、ママとパパと妹が来てくれたの!」

 私より先にさやかちゃんが切り出す。

「そうなんだ。よかったね」

 年末年始も一緒過ごしたと話していたから、比較的短いスパンで家族に会えたのならさやかちゃんも嬉しいだろう。けれど、さやかちゃんの表情は曇ったままだ。

「先生から説明があるからって来てくれたんだ。……私の病気、ちょっと手術が難しいんだって」

 さやかちゃんの言葉に頭が真っ白になる。私の様子を気にしてか彼女は笑った。
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