冷血心臓外科医はお飾り妻を逃がさない~愛なき契約から始まる甘く暴かれる独占婚~
「元気になったら、小夜ちゃんと三神先生のお家に遊びにいきたいなー。でも、そんな特別扱いはだめだよね」

 段々としょんぼりとした口調になるさやかちゃんに答える。

「いいよ。三神先生の患者じゃなくて、私のお友達としてさやかちゃんを招待するから」

「本当?」

 力強く頷くと、さやかちゃんの表情がぱっと明るくなった。

「嬉しい! 私、絶対に良くなるから約束ね!」

「うん。約束」

 そのまま彼女を病室まで送り届ける。

「小夜さん、また来てね」

 嬉しそうに笑う彼女に手を振る。そして、そっと病室のドアを閉めた、そのときだった。

 ガタンとなにかが倒れた音がして、急いでドアを開ける。そこには床で胸を押さえて苦しそうに身を縮めているさやかちゃんの姿があった。

「さやかちゃん!」

 慌てて腰を落として彼女のそばに寄るが、パニックを起こしそうだった。母が倒れたときと重なり、とっさに動けなくなる。バランスを崩し、ともに倒れたモニターからは警告音にも似た音が鳴り始めた。

「あっ……」

 どうしたらいい? どうしたらいいの?

『救急車なり誰かを呼ぶだけで十分だ』

 成明さんの言葉で、ふっと冷静になる。すぐさま切り替え、病室のドアを開けた。

「すみません。誰か来てください!」

 大きな声を出して求める。モニターの異常を察してかすでに看護師さんがこちらに走って来ていた。
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