冷血心臓外科医はお飾り妻を逃がさない~愛なき契約から始まる甘く暴かれる独占婚~
※ ※ ※
「俺と結婚してほしい」
自分から結婚を口にする日が来るとは思わなかった。
元職場の上司の小夜に対する執着ぶりを目(ま)目 の当たりにし、彼女を守るためもあって、結婚を申し出る。
小夜は大きな目を丸くして硬直していた。
それなりの理由をつけ、そのどれもが本音ではあるものの結婚という形にこだわっている自分がどこか滑稽に思えた。けれど、彼女が自分から離れることだけは避けたい。
「形だけでも誠意は尽くす。それは約束する。だから、お互いに嫌いじゃなければいいんじゃないか」
そう言って、最終的に小夜を納得させる。
結婚するからといってなにかが変わるわけではない。彼女には妻として表に出てきてもらうことにはなるが、今の生活も距離感も無理に変える必要はないと俺はそう思っていた。
けれど小夜は弁当を用意したり、俺が今まで以上に仕事に集中できるようにサポートしたり、妻として精いっぱい努力しているのが伝わる。
ありがたく感じながら、どこかで夫婦として距離が縮まっている気がして安堵していた。
それを自分の傲慢だと思い知ったのは、彼女の誕生日だ。
「三神さんにまた会えてうれしいです。今日はいろいろお話ししましょう」
納富外科部長に頼まれ、製薬会社の社員と知り合いの医師との食事会に足を運ぶと、現れたのは小夜の元先輩だったという彼女と山本医師だった。
正直、すぐにでも帰りたくなったが、納富先生の立場もある。彼は父の古くからの友人なのもあって恩もあるし、信頼している。俺が第一総合病院に勤めるきっかけを作ってくれたのも納富先生だ。
おかげで小夜の誕生日を祝いそこねることになったが、あのときのやりとりがあったから俺は自分の気持ちを自覚できたんだと思う。
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「俺と結婚してほしい」
自分から結婚を口にする日が来るとは思わなかった。
元職場の上司の小夜に対する執着ぶりを目(ま)目 の当たりにし、彼女を守るためもあって、結婚を申し出る。
小夜は大きな目を丸くして硬直していた。
それなりの理由をつけ、そのどれもが本音ではあるものの結婚という形にこだわっている自分がどこか滑稽に思えた。けれど、彼女が自分から離れることだけは避けたい。
「形だけでも誠意は尽くす。それは約束する。だから、お互いに嫌いじゃなければいいんじゃないか」
そう言って、最終的に小夜を納得させる。
結婚するからといってなにかが変わるわけではない。彼女には妻として表に出てきてもらうことにはなるが、今の生活も距離感も無理に変える必要はないと俺はそう思っていた。
けれど小夜は弁当を用意したり、俺が今まで以上に仕事に集中できるようにサポートしたり、妻として精いっぱい努力しているのが伝わる。
ありがたく感じながら、どこかで夫婦として距離が縮まっている気がして安堵していた。
それを自分の傲慢だと思い知ったのは、彼女の誕生日だ。
「三神さんにまた会えてうれしいです。今日はいろいろお話ししましょう」
納富外科部長に頼まれ、製薬会社の社員と知り合いの医師との食事会に足を運ぶと、現れたのは小夜の元先輩だったという彼女と山本医師だった。
正直、すぐにでも帰りたくなったが、納富先生の立場もある。彼は父の古くからの友人なのもあって恩もあるし、信頼している。俺が第一総合病院に勤めるきっかけを作ってくれたのも納富先生だ。
おかげで小夜の誕生日を祝いそこねることになったが、あのときのやりとりがあったから俺は自分の気持ちを自覚できたんだと思う。
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