冷血心臓外科医はお飾り妻を逃がさない~愛なき契約から始まる甘く暴かれる独占婚~
その顔を見られたくないからか、彼女が自ら俺に抱きついてきた。
「い、癒やすってこういう意味で、ですか?」
その声には羞恥心とわずかな不満が込められていて、しばし逡巡した後、俺は彼女を抱き上げた。
「きゃっ」
バランスをとるため俺にしがみつく小夜をソファまで運び、下ろす。改めて彼女を正面から抱きしめた。
「こういう意味も含めて、だな」
先ほどの彼女の質問に対する答えだ。彼女の柔らかさと匂いを堪能しつつ顔を上げる。
「小夜がそばにいて、俺はやっと息ができるようになったんだ」
置かれた境遇で好き勝手言われるのに腹が立ち、ひたすら勉強して、これまではひたすら仕事に突き進んできた。信念とか立派なものではなく、全部雑音に聞こえて、周りを見ないようにしていた。
「小夜と出会って、幸せにしたいと思った。幸せだと思えるんだ」
小夜の瞳が大きく揺れ、次第に潤んでいく。瞬きを繰り返すと彼女の目尻から涙がこぼれそうになり、そっと唇を寄せた。
「ありがとうございます。私も今、すごく幸せです」
笑顔で告げる小夜に再び口づける。そっと彼女の手を取り、指を絡めて重ねると、左手の薬指に触れた。
そこには小夜が自分で選んだ俺とおそろいの結婚指輪がはめられている。その感触を確かめながら、これから彼女と歩いていく未来に想いを馳せた。
Fin.
「い、癒やすってこういう意味で、ですか?」
その声には羞恥心とわずかな不満が込められていて、しばし逡巡した後、俺は彼女を抱き上げた。
「きゃっ」
バランスをとるため俺にしがみつく小夜をソファまで運び、下ろす。改めて彼女を正面から抱きしめた。
「こういう意味も含めて、だな」
先ほどの彼女の質問に対する答えだ。彼女の柔らかさと匂いを堪能しつつ顔を上げる。
「小夜がそばにいて、俺はやっと息ができるようになったんだ」
置かれた境遇で好き勝手言われるのに腹が立ち、ひたすら勉強して、これまではひたすら仕事に突き進んできた。信念とか立派なものではなく、全部雑音に聞こえて、周りを見ないようにしていた。
「小夜と出会って、幸せにしたいと思った。幸せだと思えるんだ」
小夜の瞳が大きく揺れ、次第に潤んでいく。瞬きを繰り返すと彼女の目尻から涙がこぼれそうになり、そっと唇を寄せた。
「ありがとうございます。私も今、すごく幸せです」
笑顔で告げる小夜に再び口づける。そっと彼女の手を取り、指を絡めて重ねると、左手の薬指に触れた。
そこには小夜が自分で選んだ俺とおそろいの結婚指輪がはめられている。その感触を確かめながら、これから彼女と歩いていく未来に想いを馳せた。
Fin.

