冷血心臓外科医はお飾り妻を逃がさない~愛なき契約から始まる甘く暴かれる独占婚~
第二章 自覚症状なしの優しい浸潤
 三神さんのもとで家政婦を継続することになり、ほぼ毎日私はマンションに通っていた。とくに決まったシフトもなく、なにかを強制されているわけではないものの、三神さんの様子と部屋の状態が心配なのが大きな理由だ。

 平日の昼間、掃除をして食事の準備を終えホッと一息つく。今日、三神さんは出勤しているので、ここには私ひとりだ。

 広い部屋を見渡し、改めて立派なマンションだと感じる。コンシェルジュがいてデリバリーやクリーニングなどサービスも充実しているので 、不便がなかったのも納得だ。

 仕事や勉強に没頭できる分、生活の荒れっぷりが大変なことになっていたけれど。

 自室には入らないようにとは言われているが、私がやって来ることに対し、三神さんは基本的に口を出さなくなった。

 たまに必要なものの買い出しや荷物の受け取りなどの指示があったりするくらいで、家事の量自体はそこまで多くない。資料や本といった物がそこらへんに散らかっているときがあっても、元々綺麗な家だ。

 ただ、仕事量にお給料が見合っていないような……。

 会社員時代の倍近い金額をいただいている。

 おまけに、休憩はソファかダイニングテーブルを使うようわざわざ言われてしまった。

『俺の気分が悪いんだ。仕えさせているわけじゃない』

 キッチンに座り込んだ件を指しているんだろう。相変わらず言い方には優しさの欠片もない。
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