冷血心臓外科医はお飾り妻を逃がさない~愛なき契約から始まる甘く暴かれる独占婚~
「それでね、手術は私と三神先生の共同作業なんだって」

「共同作業?」

 さやかちゃんの発言に私はおうむ返しをする。

「三神先生の力だけじゃ手術は成功しないんだって。三神先生が難しい手術を全力でするから、私は手術に耐えられる体になるように風邪とかに気をつけて体力つけるの! そうしたら、手術の成功率が百パーセント近くまでなるんだって」

 だから頑張らないと、と続けるさやかちゃんに目を細める。

「そっか」

 医師の言うことに患者は従わなければならない。どうしても発生してしまう上下関係。でも三神さんは、相手が子どもでも対等に接しているんだ。

「三神先生はすごいんだよ。どこかの病院の偉い先生が手術を見に来たり、他の病院に呼ばれて手術をしたり。なんかね、発表とかもよくしてて、お医者さんの中でも有名なんだって!」

「そうなんだ」

 よく知っているな、と感心するしかない。するとさやかちゃんは内緒話をするように急に声のトーンを落とした。

「看護師さんたちがよく話しているの。三神先生、カッコイイから看護師さんや患者さんに人気で、先生結婚していないから狙っている人、多いんだよー」

「それで私、受付で怪しまれたのかな?」

 差し入れなども多いだろう三神さんに、本人に渡してほしいものがあると言う人間が突然現れたら、受付が警戒するのも無理はないのかも。
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