冷血心臓外科医はお飾り妻を逃がさない~愛なき契約から始まる甘く暴かれる独占婚~
「私、桑名さんが勤めていたダミアノ製薬会社で一緒だった石坂です。……どこかでお会いしたことがありませんか?」
石坂さんの質問にぎょっとする。もしかしてふたりは知り合いだったの?
「勘違いでは? まったく記憶にありません」
しかし三神さんはすげなく返す。石坂さんは食い入るように彼を見つめた。
「いえ……。失礼ですが、ご職業は? 桑名さんとはどんな関係なんですか?」
「あなたに話す必要がありますか?」
底冷えのする低い声が響き、三神さんは石坂さんを冷たい目で見た。
「彼女を迎えに来ただけなので、無駄な会話をする時間はないんです」
ここまで痛烈な拒絶は、そうそう経験したことないだろう。ましてや石坂さんみたいな人は。
三神さんに目で促され、私は慌てて立ち上がる。呆然としている石坂さんに軽く頭を下げ、三神さんに続いた。
店の外に出て、寒さ身を引き締める。半歩先を歩く三神さんに声をかけようとしたが言葉が出ない。
謝罪するべき、かな? でもなにに対して? 手間を取らせたこと?
「予定より遅くなって悪かったな」
悩んでいると不意に声が耳に届いた。彼は前を向いたままで、私は何度か瞬きをした後、小さく否定する。
「い、いえ。私の方こそ……」
「あれくらいでよかっただろ」
「え?」
なにを言われたのかわからず聞き返したら、三神さんは今度は立ち止まり、ゆっくりと私の方を向いた。大通りに出る一歩手前。人の行き来はなく、だからはっきりと聞こえる。
石坂さんの質問にぎょっとする。もしかしてふたりは知り合いだったの?
「勘違いでは? まったく記憶にありません」
しかし三神さんはすげなく返す。石坂さんは食い入るように彼を見つめた。
「いえ……。失礼ですが、ご職業は? 桑名さんとはどんな関係なんですか?」
「あなたに話す必要がありますか?」
底冷えのする低い声が響き、三神さんは石坂さんを冷たい目で見た。
「彼女を迎えに来ただけなので、無駄な会話をする時間はないんです」
ここまで痛烈な拒絶は、そうそう経験したことないだろう。ましてや石坂さんみたいな人は。
三神さんに目で促され、私は慌てて立ち上がる。呆然としている石坂さんに軽く頭を下げ、三神さんに続いた。
店の外に出て、寒さ身を引き締める。半歩先を歩く三神さんに声をかけようとしたが言葉が出ない。
謝罪するべき、かな? でもなにに対して? 手間を取らせたこと?
「予定より遅くなって悪かったな」
悩んでいると不意に声が耳に届いた。彼は前を向いたままで、私は何度か瞬きをした後、小さく否定する。
「い、いえ。私の方こそ……」
「あれくらいでよかっただろ」
「え?」
なにを言われたのかわからず聞き返したら、三神さんは今度は立ち止まり、ゆっくりと私の方を向いた。大通りに出る一歩手前。人の行き来はなく、だからはっきりと聞こえる。