冷血心臓外科医はお飾り妻を逃がさない~愛なき契約から始まる甘く暴かれる独占婚~
お腹も心も満たされたが、ホテルを出た途端、風が身にしみた。十月も後半となり、だいぶ日が落ちて、昼間よりも気温は下がっている。早く帰って夕飯の準備をしないと。下準備をして出かけたから、そこまで時間はかからないはずだ。
向かうのは、従姉である結菜のマンションだ。母の兄の娘で、私は今彼女のところで居候をしている。
社員用アパートで暮らしていた私は会社を辞めるのと同時に出て行かなくてはならなくなったものの、退職が突然だったため住む場所に正直困った。
父を幼い頃に、母を中学生の頃に亡くした私には戻る実家もなく 、そんなときに三つ上の従姉が家に来ないかと誘ってくれたのだ。高校に進学するまでの間、叔父の家でお世話になり、しばらく結菜との同居生活が続いて、とても助けられ励まされた。
高校は奨学金の種類が豊富で学費が免除となる全寮制の女子高へ進学先を変え、大学時代は一人暮らしをしていたので、結菜と一緒に住むのは久しぶりで懐かしい。
とはいえいつまでもとは思わず、早く引っ越し先を見つけると決め、気持ちばかりのお金を渡して、家事を一手に引き受けている。
「小夜のご飯、美味しい! 本当に幸せ」
「ありがとう」
嬉しそうに箸をつける結菜の姿にホッと胸を撫で下ろす。
今日のメニューは鮭の西京焼きとほうれん草とツナのオムレツをメインに、作り置きしていたきんぴらごぼうときのこのマリネ、豆腐とわかめのお味噌汁だ。昔から家事は得意だったが、自分の作った料理を人に食べてもらうのは、やはり毎回緊張してしまう。
「いつまでもここにいてほしいくらい」
「だめでしょ。浩明さんが聞いたら泣くよ?」
苦笑して答える。浩明さんは結菜の婚約者だ。結菜より五歳年上で、私も何度か会ったことがあるが、紳士的で優しく結菜を大事にしているのが伝わってきてすごく素敵なカップルだと思った。
向かうのは、従姉である結菜のマンションだ。母の兄の娘で、私は今彼女のところで居候をしている。
社員用アパートで暮らしていた私は会社を辞めるのと同時に出て行かなくてはならなくなったものの、退職が突然だったため住む場所に正直困った。
父を幼い頃に、母を中学生の頃に亡くした私には戻る実家もなく 、そんなときに三つ上の従姉が家に来ないかと誘ってくれたのだ。高校に進学するまでの間、叔父の家でお世話になり、しばらく結菜との同居生活が続いて、とても助けられ励まされた。
高校は奨学金の種類が豊富で学費が免除となる全寮制の女子高へ進学先を変え、大学時代は一人暮らしをしていたので、結菜と一緒に住むのは久しぶりで懐かしい。
とはいえいつまでもとは思わず、早く引っ越し先を見つけると決め、気持ちばかりのお金を渡して、家事を一手に引き受けている。
「小夜のご飯、美味しい! 本当に幸せ」
「ありがとう」
嬉しそうに箸をつける結菜の姿にホッと胸を撫で下ろす。
今日のメニューは鮭の西京焼きとほうれん草とツナのオムレツをメインに、作り置きしていたきんぴらごぼうときのこのマリネ、豆腐とわかめのお味噌汁だ。昔から家事は得意だったが、自分の作った料理を人に食べてもらうのは、やはり毎回緊張してしまう。
「いつまでもここにいてほしいくらい」
「だめでしょ。浩明さんが聞いたら泣くよ?」
苦笑して答える。浩明さんは結菜の婚約者だ。結菜より五歳年上で、私も何度か会ったことがあるが、紳士的で優しく結菜を大事にしているのが伝わってきてすごく素敵なカップルだと思った。