冷血心臓外科医はお飾り妻を逃がさない~愛なき契約から始まる甘く暴かれる独占婚~
 調べようとしたらメッセージが届く。結菜からだった。

【雨、大丈夫? 今日は浩明さんのところに泊まって、明日そのまま会社に行くね】

 浩明さんと一緒なら心配ないだろう。

「すみません。結菜からメッセージが届いたので返信しますね」

 三神さんに断りを入れ返事を打つ。

 午後九時過ぎ。食事を終え、片付けをしながら時計を確認した。続けてリビングのソファで本を読んでいる三神さんに尋ねる。

「電車が止まらないうちに帰ろうと思うのですが、傘をお借りできますか?」

 私の問いかけに三神さんは本から顔を上げた。

「かまわないが、この雨なら傘は無意味じゃないか?」

 たしかに。ここは駅直通だけれど結菜のマンションは駅から少し歩く 。しかしある程度はしょうがない。

「送っていく」

「けっこうです!」

 間髪を入れずに答えたからか、三神さんが目を丸くしたので、慌ててフォローする。

「あ、いえ。お気遣いはありがたいです。でもこんな雨の中、三神さんに運転してもらって、なにかあったらと思うと………」

 まったく状況が違うとはいえ、父が亡くなったのも運転中だった。車から降りなければ三神さんが濡れる心配はないが、そういう問題ではない。私が嫌なのだ。

「泊まっていったらどうだ」

 あまりにも予想外の言葉が彼の口から飛び出し、思わず幻聴を疑った。

「明け方にはこの雨も止むらしい」

「だ、だめです。そんなご迷惑をおかけできません」

 慌てて否定する。しかし三神さんは眉間に皺を寄せた。
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