冷血心臓外科医はお飾り妻を逃がさない~愛なき契約から始まる甘く暴かれる独占婚~
「そうなんですね」

 ふふっと笑みがこぼれた。

「搬送先の病院に連絡してみたんだが 、救急車で運ばれた男性は無事に意識を取り戻したらしい」

「本当ですか?」

 唐突に振られた話題に、私は興奮気味に喰いつく。

「よかったです」

 ホッと胸を撫で下ろす。酔っていたのもあって随分と乱暴な態度を取られたけれど、無事だと聞いて安心する。一緒にいた男性も安心しただろう。

 そこで別のことに意識が向いた。

「もしかして……最初に三神さんが男性たちを見つめていたのって、倒れるのがわかっていたからなんですか?」

 相手の言いがかりと思っていたけれど、初めから三神さんは戸田さんを気にしていた。

「確信があったわけじゃない。ただ酔い方が気になったのも事実だ」

「そう、だったんですね」

 やっぱり三神さんは、お医者さんなんだ。現に戸田さんは倒れ、辺りは騒然となった。あの場に三神さんが居合わせず、冷静な判断と処置をする人がいなかったら、もしかしたら大変なことになっていたかもしれない。

「それにしても……」

 しみじみ感じていると、三神さんが切り出す。

「どう考えても素面じゃない相手に、あの状況でよく飛び出してきたな」

 一瞬、なんのことを言われているのかわからなかったが、戸田さんが倒れる直前の出来事だ。

『彼の仕事は立派で、そのために寝る間も惜しんで努力しています。いつも仕事に厳しくて、真剣に向き合って……若いからって見た目だけで決めつけないでください!』
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