冷血心臓外科医はお飾り妻を逃がさない~愛なき契約から始まる甘く暴かれる独占婚~
「最初は、必死に頑張って仕事で結果を出して、やりがいも感じていました」
大学は奨学金を借りて進学し、返さなくてもいいように成績優秀者を常に目指して学業に励んだ。色恋沙汰は一切ないがそれなりに楽しい生活を送り、ダミアノ製薬会社から内定をもらったときは嬉しくて両親に手を合わせ報告した。
社員寮もあって福利厚生もしっかりしている。期待に満ち溢れて入社した。
『桑名さん、早くに両親を亡くされているんだって? 仕事以外でも、困ったことがあったらなんでも言ってね』
上司となった森下課長は優しく声をかけてくれた。父とより少し下の年代で、生きていたら父もこんな感じで年を取っていたのかもしれないと思いながら、彼を上司に、同じ部署で三年先輩の石坂さんが私の指導係として 、仕事を始めた。
『頑張っているね。ご両親も喜んでいるんじゃないかな』
失敗もうまくいかない場面も多々あったが、仕事を評価されるのは嬉しく、努力も惜しまなかった 。
森下課長にも認められ、指導係の石坂さんとの関係も良好。彼女の父親はダミアノ製薬会社の重役をしていると他の人から聞いた。けれどそれを鼻にかけるような真似はしない。
尊敬できる先輩で、彼女からアドバイスをもらい、仕事に生かせるよう学ぶ姿勢を崩さず、この会社で一生働くと思った。
それが……いつからおかしくなったんだろう。
『今晩、よかったら食事でもどうかな?』
『すみません。用事がありまして』
森下課長から食事に誘われ、やんわり断るやり取りが増え、石坂さんの態度が、急によそよそしく冷たく感じることが続いた。
大学は奨学金を借りて進学し、返さなくてもいいように成績優秀者を常に目指して学業に励んだ。色恋沙汰は一切ないがそれなりに楽しい生活を送り、ダミアノ製薬会社から内定をもらったときは嬉しくて両親に手を合わせ報告した。
社員寮もあって福利厚生もしっかりしている。期待に満ち溢れて入社した。
『桑名さん、早くに両親を亡くされているんだって? 仕事以外でも、困ったことがあったらなんでも言ってね』
上司となった森下課長は優しく声をかけてくれた。父とより少し下の年代で、生きていたら父もこんな感じで年を取っていたのかもしれないと思いながら、彼を上司に、同じ部署で三年先輩の石坂さんが私の指導係として 、仕事を始めた。
『頑張っているね。ご両親も喜んでいるんじゃないかな』
失敗もうまくいかない場面も多々あったが、仕事を評価されるのは嬉しく、努力も惜しまなかった 。
森下課長にも認められ、指導係の石坂さんとの関係も良好。彼女の父親はダミアノ製薬会社の重役をしていると他の人から聞いた。けれどそれを鼻にかけるような真似はしない。
尊敬できる先輩で、彼女からアドバイスをもらい、仕事に生かせるよう学ぶ姿勢を崩さず、この会社で一生働くと思った。
それが……いつからおかしくなったんだろう。
『今晩、よかったら食事でもどうかな?』
『すみません。用事がありまして』
森下課長から食事に誘われ、やんわり断るやり取りが増え、石坂さんの態度が、急によそよそしく冷たく感じることが続いた。