冷血心臓外科医はお飾り妻を逃がさない~愛なき契約から始まる甘く暴かれる独占婚~
 交流会の会場となったスクリーンには、外国の医師のインタビューが字幕付きで流れ、ホテルの大広間を貸し切った立食式パーティーは豪華絢爛だった。

 成明さんが言っていた通り、彼の周りにはひっきりなしに人がやってくる。

「妻の小夜です」

 成明さんが私の肩を抱いて軽やかに紹介していく。まだ入籍していないけれど、と心の中で補足するが、私は下手なことは言わず彼 の横に立っていた。

「三神先生がついに結婚か。これは帰って若い連中に報告しておかないと」

「正直、驚いたよ。どんなお嬢さんを紹介されても首を縦に振らないと聞いていたから、まさかお付き合いしていた女性がいたとは」

 出会いや付き合ってどれくらいなのかと興味津々に根掘り葉掘り聞かれそうになるのを成明さんは軽やかにかわし、話題を変える。

「田内先生の新しい論文、読ませていただきました。心臓サルコイドーシスの診断基準について非常に勉強になりました」

「あれは病理との連携が功を奏した例だった。三神くんこそ、学術誌に載っていた論文、査読の佐藤先生が随分と褒めていたよ。よろしく伝えてほしいと」

「ありがとうございます」

 話はあっという間に専門の話になる。話しぶりからして、成明さんが優秀で、そんな彼と会話するのを楽しみにしていた人が多い印象だ。

 相手が年上でも物怖じせず、きっちりと自分の意見や考えを説明する成明さんは本当にすごい人だとつくづく感じる。
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