冷血心臓外科医はお飾り妻を逃がさない~愛なき契約から始まる甘く暴かれる独占婚~
本気で石坂さんを成明さんの相手に?
石坂さんは成明さんに妖艶に微笑みかけた。
「伯父がいつもお世話になっています。私は今、ダミアノ製薬が総力を挙げて開発したパンタレオンの営業を務めているんです。今度、お話を聞いていただけるとうれしいんですが――」
「けっこうです」
はっきりと三神さんは拒否をする。石坂さんは三神さんから私に視線を移し、彼女はにこりと笑った。その笑みに見覚えがあり、背中がぞくりと震える。
「それしても、まさか桑名さんが三神さんのお相手だなんて驚きです」
その言葉に、山本先生が目を見張った。
「知り合いだったのか?」
石坂さんはゆっくりと頷く。
「ええ。職場が同じで、彼女は前の部署の私の後輩だったの。ね、桑名さん」
「……はい」
小さく返すしかできず、身を縮める。けっして乱暴な言葉を使うわけでも声を荒げる真似もしない。どこまでも上品なのに、彼女の言い方はいつもヒリヒリと痛みを伴う。
「彼女は異性をその気にさせるのが上手くて、課長もすっかり桑名さんに夢中だったの」
今もそうだ。この場でそれを言う必要はなにもない。しかも誤解を招く言い方なのはきっとわざとだ。さすがに否定しようとしたが、彼女は続ける。
「責任も果たさず仕事を途中で放り出す人に医者の妻が務まるのかしら? 迷惑をかけるだけなのが目に見えて――」
「余計なお世話です」
ぴしゃりと跳ねのける冷たい声に、石坂さんがとっさに口をつぐむ。成明さんの方を見ようとしたら、その前に肩を引き寄せられた。
石坂さんは成明さんに妖艶に微笑みかけた。
「伯父がいつもお世話になっています。私は今、ダミアノ製薬が総力を挙げて開発したパンタレオンの営業を務めているんです。今度、お話を聞いていただけるとうれしいんですが――」
「けっこうです」
はっきりと三神さんは拒否をする。石坂さんは三神さんから私に視線を移し、彼女はにこりと笑った。その笑みに見覚えがあり、背中がぞくりと震える。
「それしても、まさか桑名さんが三神さんのお相手だなんて驚きです」
その言葉に、山本先生が目を見張った。
「知り合いだったのか?」
石坂さんはゆっくりと頷く。
「ええ。職場が同じで、彼女は前の部署の私の後輩だったの。ね、桑名さん」
「……はい」
小さく返すしかできず、身を縮める。けっして乱暴な言葉を使うわけでも声を荒げる真似もしない。どこまでも上品なのに、彼女の言い方はいつもヒリヒリと痛みを伴う。
「彼女は異性をその気にさせるのが上手くて、課長もすっかり桑名さんに夢中だったの」
今もそうだ。この場でそれを言う必要はなにもない。しかも誤解を招く言い方なのはきっとわざとだ。さすがに否定しようとしたが、彼女は続ける。
「責任も果たさず仕事を途中で放り出す人に医者の妻が務まるのかしら? 迷惑をかけるだけなのが目に見えて――」
「余計なお世話です」
ぴしゃりと跳ねのける冷たい声に、石坂さんがとっさに口をつぐむ。成明さんの方を見ようとしたら、その前に肩を引き寄せられた。