冷血心臓外科医はお飾り妻を逃がさない~愛なき契約から始まる甘く暴かれる独占婚~
「今日は絶対に早く休んでください」

「疲労感はあるが、問題ない」

「また、そんなことを言って……本を読むのはなしですよ! 申し訳ないですけれど、その点に関しては、成明さんはまったく信用ありませんからね」

 力強く告げたものの成明さんから返事はない

 出しゃばりすぎたかな、と不安になったが今さらだ。

「……だったら、俺が眠るのを小夜が見届けるか?」

 一瞬、意味がわからず瞬きを繰り返す。

「最初にそう言ってなかったか?」

『三神さんがきちんと食べて眠るのを見届けるように言われているんです。言葉通り、三神さんが食べて寝るまでそばにいましょうか?』

 そう言えば、頑なな彼に強気でそう告げた気がする。でも実際、見届けるとなるとどうやって?

 結婚したものの私たちの寝室は別々だ。使っていないゲストルームを私の部屋に宛がわれている。

 混乱していると、車が止まった。そうなると、早く降りて支度しなければと思考が切り替わる。

「逆に明日は遅くなる」

 思い出したかのように告げられ、彼の明日のスケジュールを思い出す。

「人と会う約束があるんだ」

 夜勤か当直だっただろうかと記憶を手繰っている間に、補足された。

 明日……。

 少しだけ迷ったが、私は笑顔を見せた。

「わかりました。だったら尚更、今日は早く休んでくださいね」

 いつも通り明日も過ごす。それだけだ。
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